開かずのコーヒー缶 作:GLUMip そう言って、缶コーヒーを1本差し出す。 女の子「遅れたお詫びだよ」 女の子「それと…」 女の子「再会のお祝い」 祐一「7年ぶりの再会が、缶コーヒー1本か?」 差し出された缶を受け取りながら、改めて女の子の顔を見上げる。 素手で持つには熱すぎるくらいに温まったコーヒーの缶。 女の子「7年…そっか、そんなに経つんだね」 祐一「ああ、そうだ」 温かな缶を手の中で転がしながら…。 もう忘れていたとばかり思っていた、子供の頃に見た雪の景色を重ね合わせながら…。 女の子「わたしの名前、まだ覚えてる?」 祐一「そう言うお前だって、俺の好み覚えてるか?」 女の子「うん」 女の子は嘘つきだと思った。 7年も経っているんだから、忘れているならしょうがない。 でも、覚えているなら嫌がらせとしか思えない。 歓迎されていないんじゃないか… そんな不安がよぎる。 俺、昔からブラックは駄目なのに… おわり