機械仕掛け 作:GLUMip 名雪は朝が弱い。 「おはようございまふぁ…」 今日もいつものごとく、あくびだか挨拶だかよく分からない挨拶をしている。 「名雪、いい加減に起きろ」 ぽかっ。 「……」 おかしい。 普段なら寝ているなりに反応を示すはずなんだが… 「名雪、そろそろ遅刻よ」 「……」 秋子さんが声をかけるが名雪は何も言わない。 イチゴジャムを鼻先でちらつかせても、例のジャムを口元に持ってきても反応しない。 珍しい事もあるもんだ。 「おい、名雪、いい加減に起きろ!」 そう言って名雪を揺すると、そのまま椅子から崩れ落ちて床に倒れてしまった。 名雪の寝起きの悪さには馴れていたつもりだが、これにはビックリだ。 「名雪、大丈夫か!?」 しかし、相変わらず名雪はぐったりとして動かない。 「あらあら…」 秋子さんが名雪の背中を叩き、反応が無いのを確認する。 「ゼンマイが切れたのね」 パジャマをめくり上げて、背中のネジを巻く。 「うにゅ、けろぴー」 どうやら動き出したようだ。 「祐一さん、後はお願いします」 やれやれ、これから名雪を起こさなきゃならないとは… おわり