目覚め 作:GLUMip 耳元から低くくぐもった男の声がする。 「…さーだーよ…」 地獄の底から呼びかけるような、声。 「はんた…べてが…」 繰り返される呪いの言葉。 「こ…うにい…くよ…」 「うわぁぁ。やめてくれぇ!」 飛び起きると、そこには… そこにはいつもの俺の部屋があった。 振り返れば枕元にいつもの目覚まし時計が転がっている。 「あ…電池が切れかかっている」 なぁんだと一息ついて起きあがる。 名雪の部屋のドアを叩き、朝食をとる。これが日課になって既に久しい。 パンを半分食べたあたりで名雪がやってきた。 相変わらず半分寝ている名雪の口が開く。 低くくぐもった男の声。 「うにゅ…けろぴー」 地獄の底から呼びかけるような、声。 「いちごじゃむ…」 繰り返される、呪いの言葉。 「くー」 名雪のものとは思えない不気味な声が、名雪の口から発せられる。 「うわぁぁ、やめてくれぇ!」 飛び起きると、そこには… おわり