なでるな危険 作:GLUMip あゆの頭をなでていると、つむじの少し横のあたりに微妙な凹凸があるのに気が付いた。 ちょっと気になったので抱きしめるようにして頭を抱えて、髪の毛を掻き分けてみる。 「うぐー、祐一君、嬉しいけど苦しいよー」 「嬉しいなら我慢しろ」 「うぐぅ…」 むずがるあゆをたしなめて覗きこんでみると、湿疹のように盛り上がった肌が横に続いている。 それは何やら文字のようにも見えた。 …ナ… 湿疹…というか、傷痕というか…謎の隆起はカタカタのようにも見て取れる。 隣にあるのは「デ」だろうか。 俺は口に出して読んでみた。 「ナデルナキケン」 「………」 なでるな、危険… 「祐一君…どうしたの?」 俺はあゆの顔を見て息を呑んだ。 あゆの口元からは、鋭い二本の牙が覗いていた。 おわり