新言語形態 作:GLUMip 「えーえーえあえあえあえあえあ!」 「…祐一君、なにやってるの…」 気が付くと背後にあゆが立っており、俺をジト目で睨んでいた。 その口は「ついにおかしくなったんだね」とでも言いたげで、微妙に歪んでいる。 「Air5段活用の練習をしていたんだ」 「5段活用?」 すかさずあゆが聞き返す。 無理もない。小学校じゃ活用形を習っていないのだろうから。 「うん。日本語は未然、連用、終止、連体、仮定、命令の活用形を持っていてだな、 言葉の役割によって言葉が微妙に変わるんだ」 あゆは半信半疑といった面持ちだ。 「例えば…走る、という言葉でも走る、走れば、走れ!と変わるだろ」 そこまで説明すると、あゆは我が意を得たりの表情で頷いた。 「わかったよ祐一君。つまり、うーうーうぐうぐうぐうぐ!の、うぐぅ変格活用と同じことだね!」 …ま、右に3ピクセルほどずれているような気もするが、そんなもんだろう。 たぶん。 おわり