即売会スタッフ日記、とこかのシリーズ。 実在の即売会とは一切関係がありません。 とこかのスタッフ決戦記 作:GLUMip 「業務連絡、業務連絡。館内警戒配備。繰り返す、館内警戒配備」 「サークル参加者の皆さんは、御自分のスペースへ退避してください!」 「最外周通路は防衛用通路です!立ち止まり座り込みは通行敵対行為とみなされます!」 館内に緊張が走る。 開場15分前…主要ゲートの閉鎖と、最外周通路における敵対行為の排除が勧告される。 某田区産業会館Pi0、京急鎌田駅から徒歩数分の位置にあるこの会場に、 今、戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。 「うぐぅ、館内がぴりぴりしているよぅ…」 「ピリピリしているのはこっちも一緒だ!」 興奮気味の班長は鼻息荒く答えた。 開場時間までカウントダウンを迎えた今、俺の担当の一般入場列も相当にピリピリしている。 「ぴろぴろしていたら真琴が出てきて面白いのに…」 自身の緊張を和らげようとしてか、そんな言葉が思わず口を突いて出た。 「何か言ったか?」 生粋のあゆらーの班長の鋭い視線。 危ない。もうすぐで腕章剥奪の刑だった。 「そろそろ動かすぞ…準備はいいな…」 「わかったよっ…」 「よし、行ってこい」 「うぐっ!(了解)」 ポテポテと、あゆをイメージした走りをかましつつ列の先頭に行く。 「みんなぁ!うぐ、カタログ、持ってるっ!?」 「はーい!」 「…返事は、うぐぅだよっ!」 「うぐぅー!!」 大地を揺るがすようなうぐぅの合掌。ああ、あゆファンやってて良かった。 (*この後地元の方から苦情を頂戴しました) 「まったく、嬉しくても悲しくてもうぐぅだなっ!」 「うぐぅーーーーーーっ!!」 あああっ!入口担当やってて、本当に良かったぁーっ! 高々と掲げられるカタログ(当然、表紙はあゆだ)のウエーブを見ながら 思わず感慨に浸ってしまう。 向こうで班長が「あんまり煽るなーっ!」っと怒鳴っているが、気にしない。 そうこうしているうちに、入場1分前。 班長が無線機に絶叫している。 「『焼きたてたい焼き』より第一ゲートっ!入場いくぞっ!」 「こちら第一ゲート、『了承』っ!」 「よし、ゲートはGoサインだ!先頭は俺が引く。貴様は、うぐぅ、第二波の先頭を誘導するんだよっ!」 「うぐぅ、わかったよっ!」 「死ぬなよっ!バイバイ祐一君っ!」 「班長こそっ!ばいばい祐一君っ!」 さぁ一般入場。本音を漏らすと、かなり怖い。 「お願いあゆたん!ボクに奇跡を!」 「…無駄遣いだよ…」 あゆの声が空から聞こえた気がした… つづく