たまご
作:GLUMip
「本当に起きてるんだったら、今から言う質問に答えろ」
ドアの向こうで名雪が返事をする。
「…うにゅ」
「25+7は?」
「…さんじゅう…に…」
「今日は何月何日だ?」
「1がつ…18にち…」
「スリーサイズは?」
「上から…80…」
「…って、わっ!」
ばたんっ、と中から何かが落ちるような音がする。
「祐一、なんてこと訊くんだよっ」
「どうやら本当に起きたみたいだな」
「うー…」
「じゃあ、先に降りてるからな」
「うー…」
洗面台で顔を洗って、そのまま食卓に顔を出す。
「おはようございます、祐一さん。私には聞かないんですか?」
洗われたばかりの俺の顔は、テーブルの上のゆで卵によって再度洗う羽目になった。
おわり
|